ウイルス性感染症などの合併症に、「髄膜炎」というものがあります。
字面だけ見ると何だか怖い病気のように思えますが、一体どんな病気でしょうか。

確かに、髄膜炎を見逃して悪化させると大変なことになります。
今回は、髄膜炎の症状や予防法などをテーマにお話しします。

髄膜炎とは一体どんな病気?

2016-09-21b

髄膜炎とは、脊髄や脳を覆う「髄膜」という膜が炎症を起こす病気です。

主な原因は、細菌やウイルスに感染してしまうことで、
細菌感染により起こる髄膜炎を「細菌性髄膜炎」、
ウイルスによるものを「ウイルス性髄膜炎」、または「無菌性髄膜炎」と呼びます。

主な症状は激しい頭痛
そして、首の硬直、発熱、倦怠感、嘔吐などの症状も見られます。

細菌性髄膜炎の原因となるのは、
髄膜炎菌黄色ブドウ球菌大腸菌
インフルエンザ菌(ウイルスとは異なるもの)、肺炎球菌B群連鎖球菌など。

これらに感染した場合は、抗生物質による処置がとられます。


https://twitter.com/chi_channn0323/status/774063902409633792?lang=ja
ウイルスによる髄膜炎の場合、
身近でよく聞くエンテロウイルスおたふく風邪の原因となる
ムンプスウイルスによるものが多いのですが、
ウイルスには特効薬が無いため、対症療法で治癒を待つしかありません。

髄膜炎の症状はたくさんある

先ほど、髄膜炎の主たる症状について触れましたが、
この病気の症状はそれだけではありません。

発熱から始まり、嘔吐や倦怠感が出て、
もっともっと進行するとけいれんや意識障害などが起こり、そして「羞明」と呼ばれる症状も。

「羞明」とは、光に対して過敏になり、
目が痛いほどの刺激を感じるようになる状態です。

また、音に対しても過敏になることもあります。
髄膜炎を放っておくと、呼吸機能が麻痺したり、
血圧が低下して死に至ることもあります。

また、運よく命が助かっても、脳炎に進行し、
後遺症が残る場合もあるため、
様子がおかしいと思ったらすぐに病院へ行きましょう。

後遺症には、難聴けいれん麻痺認知機能の低下
そして子供の場合は発達障害や脳に髄液が溜まる「水頭症」などがあります。

自分で症状を訴えられない乳幼児の場合は、
周囲が早期発見してあげるほかありません。

上記のような症状のほか、
不機嫌が続いたり、体温に異常が出たり、
おっぱいを飲む力が弱まっているようなら髄膜炎の疑いがあります。

髄膜炎の後遺症はどれも恐ろしいものですから、
手遅れにならないように気を付けたいですね。

髄膜炎については、こちらの記事も参考にしてみてください。

髄膜炎で手足切断になるって本当?

髄膜炎のせいで四肢切断(手足の切断)を余儀なくされた……
という話を聞いたことはありませんか?

これは、正しくは細菌性髄膜炎を引き起こす原因菌の一つ、
髄膜炎菌による菌血症が起こり、手足が壊死してしまうことで起きる事態です。

それよりも恐ろしいのは、乳幼児〜小児が髄膜炎菌に感染すると、
5〜10%2日以内に命を落とすと言われていること。

幸い、髄膜炎菌はワクチンにより予防できますが、
任意接種のため、全ての子供がワクチン接種を受けているわけではありません。

日本では報告が少ない感染症ですが、
海外、特にアフリカや中東では珍しくない病気です。

その周辺に渡航する予定がある人は、
日本に持ち込まないためにも、必ずワクチン接種を受けましょう。

一番の予防方法はワクチンですが、
やはり外から帰って来たら手洗いうがいを怠らないことが、
髄膜炎だけでなくウイルス感染症の予防となります。
このように、手を触れずに石鹸が出るものは
複数で使用する場合にも、衛生面で安心できますね。

予防接種に関しては、こちらの記事でも詳しく説明しています。

予防のためにできることとは

このように恐ろしい髄膜炎ですが、
予防のためにはどうするべきなのでしょうか。

一番有効とされているのは、
髄膜炎になる前段階である、ウイルスや細菌感染を防ぐことです。

原因となる病原体の中には、
先ほどの髄膜炎菌ワクチンのように、
予防接種によって防げるものがたくさんあります。

髄膜炎菌ワクチンを始め、ムンプスウイルス、肺炎球菌、
インフルエンザ菌などはワクチンによる予防が可能です。

ただ、ウイルス性髄膜炎の原因第一位である、
エンテロウイルスにはワクチンはありませんので、
普段から抵抗力が落ちないようにしたり、うがい手洗いを適切に行うしかありません。

まとめ

Little girl in a wheat field close up

いかがでしたでしょうか。
本文でもお伝えした通り、髄膜炎って、本当に恐ろしい病気ですね。

一時苦しい思いをしたとしても完治する病気ならまだしも、
一生付きまとう後遺症や、
大事な手足を失うことになってしまっては悔やんでも悔やみきれません。

しかも、髄膜炎を引き起こす病原体の中には
子供にかかりやすいものもあるので、
お母さんやお父さんは油断することができませんよね。

その心配を少しでも軽減するためには、
やはり予防接種を受けさせることが重要です。
いくつもある予防接種を全て受けさせるのは
スケジュールを組むのが大変ですし、お金もかかります。

でも、お子さんが健康に育つためには大切なことなので、是非接種を検討してみて下さいね。