とびひってご存知ですか?
きっと、名前を聞いたことのない人はいないと思います。
でも、とびひとあせも・じんましんの違いって何?と聞かれた時に、
明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか?
今回のキーワードは、この「とびひ」です。
症状はどんなものなのか、ほかの皮膚疾患との違いは何か、
どんな対策をすればいいかなどをまとめてみたので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
とびひの正式名称は知っていますか?
伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といって、文字通り伝染する皮膚疾患の一つです。
細菌に感染した水膨れや皮膚の炎症などをかきむしった手で、
皮膚の別の部位に触れることによって、あっという間に全身に疾患が広がる様子が
飛び火のようだということで、一般にこう呼ばれているのです。
このことからもわかるとおり、虫刺されやあせもとの違いは、「細菌に感染しているかどうか」なのです。
このことはとても重要で、どれだけひどい炎症が起きていても
細菌に感染していなければ全身に炎症が広まることはありませんし、
逆にどれだけ小さな虫刺されであっても細菌に感染していれば触れただけで全身に広がってしまうのです。
とびひが起きる原因としては、上に挙げたような虫刺されや
あせも、じんましんを掻くことによって小さな傷ができ、
その傷に細菌が入り込んで感染するというものです。
とびひの多くは黄色ブドウ球菌に感染しています。
黄色ブドウ球菌とは、皮膚に常在している菌の一種で、菌が増殖するときに出す毒素がとびひの原因となるのです。
その他にも、化膿レンサ球菌に感染している場合もあります。
とびひの症状はどんなもの?
よく見られるのが、水膨れです。
この水ぶくれは放置しておくとやがて化膿して破れます。
この、皮膚が破れた部分に触れると手を介して全身に水膨れが広がってしまいます。
また、かさぶたができる場合もあります。
水膨れが破れたあとに厚いかさぶたができるのですが、
このかさぶたは普通のものとは違って炎症がひどく、
発熱が起きたりリンパが腫れたりすることもあるので注意が必要です。
これらの症状は夏、特に乳幼児に見られることが多いので、あせもと間違われがちです。
しかし、あせもとは違い放置しているとあちこちが炎症を起こしてしまうので、
少しでもおかしいと思ったら皮膚科を受診する必要があります。
とびひと診断された場合は、どんな治療をするの?
基本的には、飲み薬や塗り薬で病原菌を退治します。
しかし、実は家でもできる対策があるということを知っていましたか?
それは、マキロンなどの市販の消毒薬で患部を消毒することです。
たったこれだけで?と思われるかもしれませんが、書いたとおりとびひは細菌に感染することが原因ですから、
患部を消毒すればそれ以上広がるのを防ぐのにかなりの効果を発揮してくれます。
しかし、消毒薬に頼りすぎるのも禁物。
一番の治療は病院で処方される薬を塗ったり、場合によっては内服薬を服用することですから、
あくまでも応急処置として考えておきましょう。
もちろん、とびひが大分おさまってきたら、またマキロンなどを使うだけでも大丈夫ですよ。
まとめ
どうでしたか?とびひについて、理解していただけたでしょうか。
とびひそのものは、危険な病気ではありません。
ですから、必要以上に神経を尖らす必要はないでしょう。
しかし、放置しておくと患者本人の全身に炎症ができるどころか、
家族にまで伝染してしまうので、必ず病院にかからなければいけません。
また、病院に行ったら指示があるとは思いますが、
同じお風呂に入らない、同じタオルを使わない、患部を素手で触らないなどの注意が必要となってきます。
正しい知識を持って、もしとびひが起きたとしても悪化しないように防げるといいですね。