溶連菌に感染した後などに発症するリウマチ熱という病気をご存知でしょうか。
この病気は子供にかかりやすく、
高熱とともに関節や心臓の異常などを引き起こすことがある病気です。
今回は、このリウマチ熱についてと、
発症した場合の症状や入院期間などについてお伝えします。
リウマチ熱とは
リウマチ熱とは、溶連菌に感染した後に起こる病気です。
その原因は、溶連菌に感染した時に働いた免疫力が、
自分の体までも傷付けてしまうことと考えられています。
このリウマチ熱は、溶連菌に感染した子供全てに発症するわけではなく、
個人の体質などが大きく影響します。
症状は、39℃前後にもなる高熱と、数週間にも及ぶ関節痛が主になります。
また、重篤なものとしては、心炎があります。
症状としては、動機や呼吸困難、むくみなどが挙げられ、
その後も時間をかけて経過観察や投薬をします。
大半は治療をすれば大人になるまでに治癒しますが、
人によっては完治せず、リウマチ性心疾患が残ることもあるため、油断はできません。
そのほか、皮膚の紅斑や皮膚下の小さなしこりが出る場合もありますが、
これは痛みなど無く、すぐに消失します。
治療法としては、まずは溶連菌を撃退する抗生物質を投与し、
関節痛には抗炎症薬や痛み止めを投与して、安静を守り自然に回復するのを待つほかありません。
入院は必要なの?その場合、どれくらいの期間入院する?
リウマチ熱と診断された場合は、原則として入院を勧められます。
なぜなら、先ほどもご説明した通り、
リウマチ熱にかかると高確率で心炎を発症するため、
絶対安静を守らなければいけないことと、
大量の抗生物質の投与が必要になるからです。
入院期間は、症状により個人差がありますが、
少なくとも2週間は抗生物質を投与するということから、
数日で退院というわけにはいかないようです。
また、退院後は普段通り過ごして良いわけではなく、
発症から3〜6か月の間は安静にして養生につとめます。
それだけではなく、その後も再度のリウマチ熱を避けるため、
心炎を発症していない場合で5年、発症した場合は20歳まで
抗生物質を服用し続けなければいけないという、大変時間がかかる病気なのです。
それも、心炎が重症化して、
一生薬を飲み続けることになるのを防ぐためだと思えば、短いものだと言えます。
リウマチ熱が引き起こす舞踏病
先ほど説明した症状の他にも、
リウマチ熱が引き起こす舞踏病というものがあります。
これは、リウマチ熱によって脳の中枢神経が異常を起こすことにより生じる病気で、
「不随意運動」という、筋肉が自分の意志と関係なく動いてしまうものです。
その動きがまるで踊っているように見えるということから、舞踏病と名付けられました。
この動画は、正確にはハンチントン舞踏病という、
リウマチ熱からくる舞踏病とは別の病気ですが、イメージとしては同じです。
リウマチ熱のものはもっと小さい、
痙攣のような動きですが、参考までにご覧ください。
このように、自分の意志に反した動きが、
眠っているとき以外に常に起こっている状態になるため、生活に様々な不自由が生じます。
舞踏病は数カ月ほど続きますが、そのうち治る病気のため、
悲観せずに、その間は子供の心のケアと生活の手助けをしてあげて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
細やかな治療が必要になる病気、リウマチ熱についてご説明しました。
一度かかってしまうと年単位でケアが必要になる病気ですから、
できれば避けて通りたいものですよね。
長期入院が必須になるため、学業が遅れてしまったり、
学校行事に参加できないなどの事態になってしまうかもしれません。
リウマチ熱の原因となる溶連菌感染症自体は、
あまり珍しくない病気ですが、
溶連菌感染症に気付いたら自宅で治そうとせずにすぐに病院にかかり、
抗生物質を飲むようにして下さい。
手洗いうがいに加え、普段から手や身の回りのものの
殺菌消毒をするようにこころがけましょう。
もしも感染した場合は、悪化させずに菌を撃退できれば、リウマチ熱が防げるとも言われています。
まずは、お子様の様子を日頃からしっかり見ておくのが大病を防ぐカギとなるのです。