近頃よく注意喚起されている、大人の水疱瘡。
症状が重くなりやすいこと、
子供にしかかからない病気という先入観から
水疱瘡だと思わずに家で治そうとしてしまうことなど、
大人の水疱瘡に関する危険はたくさんあります。
そんなに大変な病気なのに、
誤診されやすい病気だとも言われています。
その真偽は、どうなのでしょうか。
大人の水疱瘡はこんな症状
大人の水疱瘡の症状ですが、発熱、倦怠感、
そしてあの水疱が出るところまでは子供と大差ありません。
ただ、大人の場合は、顔や手足に水疱がたくさんできやすく、
それが跡になってしまいやすいという特徴があります。
また、発疹が口内や喉にまで広がり、
食事を摂りにくくなったり、
もっとひどい時には呼吸困難になる恐れもあります。
また、子供の場合よりも高熱が続く傾向があり、
水分補給をしっかり行わないと脱水症状になることも多いようです。
重症化しなければ、このまま水疱がかさぶたになって、
剥がれ落ちて完治となります。
子供の水疱瘡と同じく、
かさぶたが全て落ちれば、周囲にうつす心配もなくなります。
重症化すると、命に関わる!激しい頭痛は髄膜炎かも?
ですが、大人の水疱瘡は重症化しやすいことも特徴の一つ。
単純に熱が下がらず、入院することになる人も少なくありませんし、
水疱瘡から肺炎、無菌性髄膜炎や脳炎などの合併症を起こして、死に至る人もいます。
医療が進んでいる日本でも、
毎年10人くらいは水疱瘡で亡くなっているのだそうです。
肺炎は高齢者に多く見られるため、
若い人はそれほど心配ありませんが、
髄膜炎と脳炎の方は若い人でもかかるケースが多いようです。
これらにかかると、激しい頭痛や嘔吐、
悪化すると意識障害や痙攣が起こります。
この状態を放っておくと、命に関わります。
「水疱瘡かも……」と思ったら、
すぐに病院に行って対処しましょう。
大人の水疱瘡については
こちらの記事も参考にしてみてください(*^^*)
どんな病気と誤診されやすいの?
ところで、水疱瘡で病院に行ったら、
誤診されてしまったという話がちらほら聞かれます。
何の病気と誤診されたかというと、それは手足口病です。
口内や手足に水疱ができ、
高熱が出るという症状が似ているため、水疱瘡と間違えやすいのです。
水疱瘡と手足口病の誤診は、
大人の場合だけではなく子供でもよくある話で、
「手足口病だと診断されたのに、実は水疱瘡だった」とか、
その逆のパターンもよく見られます。
水疱瘡、予防接種受けさせとけばよかったなぁと後悔先に立たず。
上の娘は、はじめ手足口病と誤診されて、治療が遅れたので、すごく酷くなって見てられなかった。跡もたくさん残ってる。— まつもと♡キノコ (@hyperkinoko) November 14, 2014
ずいぶん前に水疱瘡の疑いって誤診された次男の発疹、手足口病だったっぽいなぁ…。
— まりんこ (@marinko2119) July 18, 2013
誤診の恐ろしさは、
自分が水疱瘡だと思わずに外を出歩いて、
色々な人にうつしてしまうことや、
逆に手足口病を水疱瘡と勘違いして、
本当の水疱瘡に罹った時に対処が遅れてしまうことにあります。
水疱瘡の疑いがある場合は、
信頼できるお医者さんに診てもらって、
正確な診断を下してもらうようにしたいですね。
大人の水疱瘡、診療科は?
さて、自分が水疱瘡かもしれないと思ったら、
一体何科にかかればよいのでしょうか。
子供の場合は小児科ですが、大人の場合は……、迷いますよね。
伝染病だから内科?
喉や耳の奥に水疱があるから耳鼻咽喉科?
正解は、そのどちらでもなく、皮膚科です。
大人の水疱瘡の治療としては、
「アシクロビル」「塩酸バラシクロビル」などの薬を飲むことになります。
これは、水疱瘡の治りを早めてくれる薬ですが、
発症から48時間以内に服用しないと効果がありません。
ですから、水疱瘡だと思ったら、
まずは皮膚科に連絡しましょう。
感染力の強い病気ですから、
いきなり行くよりも事前連絡を入れた方がスムーズに対処してもらえます。
大人の水疱瘡、予防のためには?
子供のうちにかかっている人が大半の水疱瘡ですが、
その経験が無ければ、
大人になってからその洗礼を受けることになります。
ですが、それを防ぐ手段として予防接種があります。
水疱瘡の予防接種は大人でも受けられますので、
罹患歴がない人は、予防接種を行っている近くの病院を探してみて下さい。
また、子供の頃に予防接種を受けたことがあるという人も、要注意です。
予防接種で作られた免疫は、
実際に感染して得た免疫よりも長持ちせず、
20年程度で切れてしまうことがわかっています。
つまり、20年以上前に予防接種を受けたことがある人も、
もう一度予防接種を受ける必要があるということです。
大人の水疱瘡は、
子供のように「うつしてもらって免疫を作っておこう」という単純な考えは通用しません。
苦しい思いをする前に、予防接種を受けることを検討してみて下さい。
水疱瘡にかかっている人と同じように生活することは避け、
手洗いうがいをこまめにするようにしましょう。
空気感染もあり得るのでマスクもしておくと良いでしょう。