「ヒトメタニューモウイルス」というウイルスの名前を、聞いたことがありますか?
あまり耳慣れない名前ですよね。
実は、大体の人は、子供のうちに一度は感染したことがあるウイルスなのです。
今回は、このヒトメタニューモウイルス感染症と、その症状などについて、ご説明します。
ヒトメタニューモウイルスとは
ヒトメタニューモウイルスは、2001年に発見された、比較的新しいウイルスです。
そのため、聞き慣れないのも当然なのですが、発見される前から、
このウイルスに感染したであろう症状を訴える患者が多かったことから、
昔から存在していたものと考えられています。
それが、発見から十数年かけて、少しずつ一般にも周知されるようになってきたのです。
@doalove666 うちの子、メタニューモとか言うウイルス?の風邪にかかりました~(>_<)。症状はRSとほぼ同じらしく、入院するかしないかの騒ぎになったよ~
— めい@お菓子控える! (@chobi618) December 9, 2014
帰宅。娘「メタニューモ」というウィルスに感染しておりました。学校からは、感染するので治るまで自宅待機も命じられ…。しかし、いろんなウイルス、あるんですねー。
— さとる (@hati77roku) May 29, 2013
最近では上記のように、お子様が感染したというツイートも良く見るようになりました。
この通り、メタニューモウイルスは子供に感染しやすく、
ほとんどの人が、10歳までには一度以上感染経験があると言われています。
「一度以上」というのは、このウイルス、一度罹っただけでは免疫ができにくく、
数回感染して初めて免疫ができるものだからです。
子供に感染しやすいとは言え、少数ですが大人も感染することがあります。
特に、症状が重く出やすい高齢者にとっては、命にかかわる場合もある恐ろしい病気でもあるのです。
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状としては、
咳や喘鳴(ぜいぜい、ヒューヒュー言う呼吸のこと)、
呼吸困難などの呼吸器症状と、4〜5日にわたる高熱がメインです。
これらの症状から、風邪と混同されやすいのですが、抗生物質が効かないため症状が長引きがちです。
特効薬が無いため、気管支拡張剤や解熱剤での対症療法をとることになりますが、
呼吸が苦しいと体力が奪われますし、高熱のせいで抵抗力も弱ってしまうことから、
二次的に別な細菌感染が起こり、肺炎などを引き起こすこともあります。
身体が出来上がっている大人はもちろん、小学生くらいのある程度体力がある子供なら、
そこまで重篤化する前に完治することが多いのですが、まだ身体が弱い乳幼児や、
既に体力の衰えが見える高齢者は、肺炎にまで移行すると命の危険に晒される場合もあるのです。
ヒトメタニューモウイルスについてはこちらの記事もご参考に!
ヒトメタニューモウイルス感染症の予防
ヒトメタニューモウイルスから身を守るためには、まずは流行しやすい季節を押さえておきましょう。
感染者が増えてくるのは3〜6月ごろで、インフルエンザの流行が下火になってきた頃に流行し始めます。
ヒトメタニューモウイルスも、インフルエンザと同じく、
唾液などを介した飛沫感染、手を介した接触感染ですから、
インフルエンザの心配が無くなっても、うがい、手洗いを徹底するようにしましょう。
身の回りの触ったものも消毒をしておくと安心ですよ。
また、乳幼児に感染しやすいというその特性から、
幼稚園や保育園でウイルスを貰ってくることはどうしても避けられません。
もしも、お子様が感染してしまったら、家族の間で感染しないように
同年代の兄弟やお年寄りには近づけないようにしましょう。
そして、お子様から幼稚園、保育園のお友達にうつさないように、
咳が出ている間は大事を取ってお休みさせ、症状が良くなっても、
発症から2週間はマスクを着用して登園させるようにしたほうが良いですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あまり名前は知られていないけれど、
実は身近なところにあるヒトメタニューモウイルスについて、
その特徴や症状、予防法などをご説明しました。
よほど身体が弱っているわけでなければ、大人には感染しにくいですし、
感染しても重症になることが少なくて済みますが、感染しやすい
乳幼児のお子さんがいる人にとっては、心配になることばかりだと思います。
インフルエンザのようにワクチンも無く、特効薬も無いウイルスですから、
お母さん方ができることとしては、なるべく感染させないように、予防に努めるのが一番です。
面倒なことも多いかと思いますが、大事なお子さんの健康を、
お母さんがしっかりと守ってあげて下さいね。