血糖値、インスリン。
2つとも良く聞く言葉ですが、この2つの言葉の意味をご存じですか?
血糖値とは、血液内のブドウ糖の濃度を表す値で、
単位はmg/dL(ミリグラム・パー・デシリットル」と読みます。
1dl(デシリットル=100ml)の中にブドウ糖が何㎎(ミリグラム)入っているか、という意味です。
そして、インスリンとはホルモンの一種です。
これは、血糖値が上がったとき、それを低下させる働きのあるホルモンです。
それでは、血糖値が上がったり下がったりすると、身体にどんな影響が出るのでしょう?
血糖値は高くても低くてもつらい症状が出る
血糖値は、健康な人で空腹時には100~110mg/dL、
食後は140mg/dL以下と言われています(年齢や性別によって違いはあります)。
それでは、この血糖値が高かったり低かったりすると、どんな症状が出るかご存じですか?
血糖値が高いと…
- 尿の回数が増える
- 口が渇き、喉が渇くことが増える
- 食欲が増進する
- 倦怠感・疲労感が増えて体重が落ちる
さらに高血糖な状態が続くと、意識の混濁・胃腸障害・呼吸困難も起こります。
そして、血糖値が低い状態が続くと…
- 空腹感や倦怠感
- 冷や汗、動悸、震え、不安感が増える
- 眠気、目眩、疲労感、意識の混乱が起きる
さらに低血糖状態が続くと、痙攣や意識消失、昏睡状態になることもあります。
昨日の部活中、しんどくなって、自分の出来る範囲でゆっくり走ってたら、注意され体調が少し悪いと伝えたら
「甘えるな。やる気の問題」と言われたらしい。
しんどいものはしんどいと言ったら、やる気がないなら帰れと言われ帰って来た息子。
低血糖はやる気の問題じゃないんだけど…— のんた@1型患児の母 (@NontaxT1D) May 28, 2017
【ダイエット情報】空腹時に運動を行うと、直接体脂肪を燃焼させる効果が高くなりますが、
極度の低血糖により貧血や、ひどい場合は心臓麻痺などを起こす危険もあります。— 痩せたい人のためのダイエット情報 (@9health9) June 5, 2017
低血糖は、このような自覚症状が多いのに対して、
血圧が高い場合はあまりこの症状は現れず、生活に異常をきたす程ではありません。
つまり、自覚症状で高血圧・低血圧を判断するのは難しく、健康診断でしか知ることが出来ません。
それでも、高血圧は身体をむしばんでいます。
糖尿病は、別名“サイレントキラー”と呼ばれています。
それは、このように自覚症状が出にくく、自覚症状が出たときには既に手遅れという事が多いからです。
血糖値の異常を放置するとどうなるの?
高血糖を放置すると、動脈硬化を引き起こします。
そして、動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞等の心臓の病気の原因となり、
動脈硬化による「血管と詰まり」は身体の「壊疽」を引き起こし、
最悪、壊疽した足や腕を切断ということにもなります。
ここまで酷い症状が出るまでの間、高血圧な状態の身体の中では何が起こっているのでしょうか?
細胞は、血液内のブドウ糖を使って活動に必要なエネルギーを作っています。
血糖値が高くなると、細胞が使い切れず、
余ってしまったブドウ糖を、身体がどうにかして利用しようとして、ソルビートという物質が出来てしまいます。
このソルビートが、細胞細胞を傷つける働きを持っているのです。
血糖値が正常なときは、このソルビートが出来たとしても、
すぐに果糖という別の物質に変化させていますが、
血糖値が高すぎるとソルビートが大量に生産され、果糖にするスピードが間に合わなくなってしまいます。
その結果、ソルビートが溜まり続け、細胞を傷つけてしまうのです。
細胞は傷つくと修復されますが、再び傷つかないように、
以前よりも強い大きな細胞となります。
例えば、血管を作る細胞が傷ついたときは、
今まで血管を生成していた細胞が強く大きくなります。
その結果、血を通る血管の壁が厚くなり、血が通る場所が狭くなります。
これが動脈硬化の原因となってしまうのです。
動脈硬化は、高血糖が原因で起こり、脳梗塞、心筋梗塞などの
心臓の病気の原因となってゆくのです。
インスリンの単位はインスリン製剤の1回の投与量
身体は血圧が上がると、それを下げる効果のあるインスリンというホルモンで血糖値を下げようとします。
けれど、糖尿病になるとそのインスリンもうまく働かなくなります。
そこで、高血糖で糖尿病の方は高血圧を低下させるのに、
体内のインスリンだけでは足りず、インスリン製剤を投与されます。
このインスリン製剤の1回の投与量は、「単位」という言葉で表されます。
「単位」の数字が大きいほど、インスリン製剤の量が多くなります。
そして、インスリンの1単位とは、
「24時間絶食させた体重約2kgのウサギの血糖を3時間以内に痙攣レベルにまで下げられる最小の量」と、定義つけられています。
そして、「1単位=0.01ml100単位=1ml」と定められています。
こう説明しても、あまりピンときませんが、「空腹時に15単位」とか、
「1日に45単位」という風に使われています。
単位数が多いほど、沢山投与されていて血圧が高いということになります。
血糖値を上昇は悪いことなの?
このように血糖値が上がると様々な病気を引き起こしますが、
かといって、血糖値が低ければ良いという訳でもありません。
冒頭でも書いたとおり、血糖値とは「血液中のブドウ糖の濃度」です。
そして、細胞はブドウ糖を使って活動エネルギーをとっています。
血糖値が低くなると、細胞が活動するエネルギーがなくなって
空腹状態になったり、貧血、怠さを引き起こします。
血糖値は、高すぎても低すぎても、身体の支障をきたします。
そして、血糖値が低くなりすぎたときに血糖値を上昇させるホルモンも存在します。
それは、
- グルカゴン
- エピネフリン(アドレナリン)
- 糖質コルチコイド
- 成長ホルモン
等のホルモンです。
このように、身体は低血糖にも高血糖にもならないように調節されているのです。
ブドウ糖が不足した場合は、こういったもので簡単に摂取できます(*^^*)血糖値についてはこちらの記事もご参考に!
血糖値への心がけは腹八分目
沢山の人が、生活習慣の乱れが原因で低血糖を引き起こしているのが現状です。
そんな血糖値の上昇を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか?
実は血糖値が高い人には、こんな特徴があります。
- 炭水化物や甘いもの、高カロリーな食べ物が好きでよく食べる
- 食事の時間が不規則
- 1回の食事でお腹いっぱいになるまで食べる
このような生活習慣があったら、是非見直してみて下さい。
また、高血圧を治す薬はありますが、その殆どは血圧を安定させる薬であって、
高血圧を根本的に解決する薬ではありません。
なので、一度血圧を下げる薬を飲み始めたらずっと飲み続けることになってしまいます。
なるべくなら時間がかかっても、生活習慣を正す事をお勧めします。
まとめ
- 血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のこと
- 高い状態が続くと糖尿病を引き起こす
- インスリンとは、血糖値上昇を抑えてくれるホルモン
- 血糖値は、高すぎても低すぎても身体に悪影響が出る
- 血圧が上昇する原因は、主に生活習慣にある
- 高血圧を予防するのならば、生活習慣を整える
いかがでしたでしょうか?
高血圧が続くと、糖尿病になるきっかけになりますが、高血圧の自覚症状は気づきにくいのが現実のようです。
こまめな健康診断と、生活習慣をただすことで予防しましょう。
また、高血圧だけではなく、低血圧も、身体に悪影響を及ぼします。
気を付けましょう。