緊張によって下痢や腹痛などが起こる、過敏性腸症候群。
別名、「過敏性胃腸炎」と呼ばれることもありますよね。
この病気は腸の不調が出るものですが、検査をしても異常は見られません。
それは一体どうしてでしょうか。
今回は、過敏性腸症候群という病気についてご説明します。
過敏性腸症候群(過敏性胃腸炎)とは
検査を行っても病変が認められないのに、
下痢や腹痛、便秘やガス(おなら)が出るなどの症状が続く病気を、
過敏性腸症候群と言います。
この原因はストレスによるものが大きく、
元々神経質で繊細な性格の人に起こりやすい傾向があります。
ストレスでお腹の不調が起こるのにははっきりとした理由があります。
ストレスを感じて自律神経が乱れると、
腸内にある「セロトニン」という神経伝達物質が過剰に分泌されます。
腸内にあるセロトニンは腸の蠕動運動に作用するため、
分泌が多いと必要以上に腸が動いてしまい、下痢や腹痛などが起こるのです。
ちなみに、セロトニンは脳内にも存在し、
こちらが不足するとうつ病の原因になるなどと言われているくらい、
精神と密接なかかわりがある物質なのです。
過敏性腸症候群は遺伝する?
ストレスが原因となる過敏性腸症候群ですが、
この病気は遺伝病ではありません。
ですが、「過敏性腸症候群になりやすい体質」が
遺伝する可能性もある、と言われています。
ある研究によると、一卵性双生児が
二人とも過敏性腸症候群を発症している割合は17.2%だが、
二卵性双生児の場合は8.4%にしか見られなかったという結果が出たのだそうです。
同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の方が
発症率が高いということは、
何かしらの遺伝的要素が発症に影響していると考えられます。
でも、親が過敏性腸症候群だからと、
子供も必ずそうなるわけではありません。
過敏性腸症候群の発症には環境要因も関わってくるため、
親と違う環境で育てば、子供は発症しない可能性が高いのです。
ビオフェルミンが効かない?
ストレスが原因の病気ということは、
過敏性腸症候群にはビオフェルミンなどの整腸剤は
効かないのでは……と思った人もいますよね。
それが、実はそうとも言い切れません。
実際、過敏性腸症候群という診断が下っても、
ビオフェルミンを処方されることはとても多いのです。
ここ最近、体調が悪いので病院へ。
過敏性腸症候群(IBS)みたいです。
ストレスが原因だそうで…出された薬はビオフェルミンでした(笑)
— Keisuke Tsuta (@keisuke_tsuta) June 28, 2016
あ、一応というか。昨日病院行ったら、やっぱりストレス性過敏性腸症候群でした(´Д`)ビオフェルミンもらったでよ。小学生の頃からで、まあ心配いりませぬ(.. )ただ治りませんww受験やめれば治るかもww
— きたろう (@kitaro82) August 16, 2011
でも、飲んでも効かなかったという声が多いのも確か。
では、なぜビオフェルミンを処方されるのでしょうか。
それには、2つの説があります。
- 少しでも腸内環境を良くして、腸の働きを正常に近づける
- 薬を飲んでいるという安心感から、緊張状態を作りにくくする
ですが、(1)の効果は、
人によって出方に大きなばらつきがあるそうです。
本当に重要なのは(2)の方ではないかという人が多いようですね。
過敏性腸症候群を患っている人は、
「大事な時にお腹が痛くなったらどうしよう」
という不安を抱えることで、
さらに症状が出やすくなるという悪循環に陥りやすくなります。
でも、「今日はビオフェルミンを飲んでいるから、
お腹が痛くならないはずだ」と信じて過ごせば、
ストレスを感じにくくなり、お腹の症状が出にくくなるのです。
病院へ行かなくても手に入りますね(*^^*)
調子が悪いなと思ったらビオフェルミンを
飲んでみてくださいね。
ビオフェルミンの効果についてはこちらの記事もご参考に♪
ビオフェルミン以外の薬は?
ビオフェルミンで安心を得るという手段は、
自己暗示にかかりにくいタイプの人には効かないようで、
そんな人は、ビオフェルミン以外の薬で対処する場合もあります。
過敏性腸症候群で出される薬は、
ビオフェルミンのほかにも自律神経を整える薬や、
不安を和らげるための薬などがあります。
これらは、やはり大元の原因であるストレスに働きかけるので、
効果が感じられることが多いようです。
もし、過敏性腸症候群による悩みが深刻だという人は、
心療内科で診察を受け、
ビオフェルミン以外の薬をと希望すれば、これらの薬を処方してくれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
過敏性腸症候群のおさらいや対処法についてお伝えしました。
本文中では病院での対処についてご説明しましたが、
自分でできる過敏性腸症候群の対策で大切なのは、
やはりストレスを溜めないこと。
適度にストレスを発散させる手段を持ち、
細かいことを受け流せる強い心を持ちましょう。
また、自律神経を整えるという視点では、
規則正しい生活を送り、睡眠を十分に取ることも大切です。
特に、食事の時間が不規則だと
胃腸に負担がかかりやすいので、
決まった時間に食事する習慣を付けるだけでも、だいぶ調子が変わるようです。
お腹の痛みや下痢は、
急に起こると笑い事ではないくらいにつらいものですが、
なるべく気を楽に構えて、緊張を作らないようにして下さいね。