「胃に穴が開く」と形容されることからわかる通り、
放っておくと大変なことになる胃潰瘍。
この胃潰瘍の原因は、
暴飲暴食やストレスなどなど、色々なものがあります。
でも、冷え性が原因で胃潰瘍になることもあるって、知っていましたか?
今回は、胃潰瘍と冷え、
そして食後の眠気などとの関係についてお伝えします。
胃潰瘍はなぜ起こるの?
健康な胃は、
粘膜の再生と胃酸の分泌がバランスを保っている状態ですが、
このバランスが崩れると、
あっという間に胃酸によって胃壁を傷付けられてしまいます。
これが、胃潰瘍が起こる仕組みです。
胃潰瘍の原因は、
ストレスや暴飲暴食だという考えが昔からありました。
しかし現在では、
「ヘリコバクター・ピロリ」という細菌によるものや、
解熱鎮痛剤の飲み過ぎによって起こるケースが多いようです。
ヘリコバクター・ピロリ、
通称ピロリ菌は、幼少期に親から伝染したり、
汚染された水などを口にすることで胃の内部に寄生します。
このピロリ菌は胃の粘膜を弱らせる働きがあるため
結果的に胃の内部が自分の胃酸に負けて潰瘍を起こしてしまいます。
解熱鎮痛剤によるものの場合は、
頭痛持ちの人などが、常習的に解熱鎮痛剤を飲むことで
胃の粘膜が荒れ、やはり胃酸に負けて潰瘍が起こるのです。
ピロリ菌によるものは、
病院で除菌をするほか対処法がありません。
鎮痛剤が原因の場合は、
適切な服用を心がければ、胃の調子も正常に戻ります。
冷えが原因で胃潰瘍になる?!
薬や細菌によるもののほか、
冷え性が原因で胃潰瘍になることもあるという話をご存知でしょうか。
まず、「冷え」自体が全身の血管を収縮させ、
胃の血行も悪くし、胃粘膜の再生を妨げます。
そして、冷えによって身体が緊張状態になると、
ストレスを感じて交感神経が活発になり、
より一層胃の血行を悪くします。
そのせいでまた胃が痛めつけられ……という悪循環が生じてしまうのです。
冷え性は、胃腸疾患、婦人科疾患、むくみなど、
身体に様々な害をなします。
たかが冷え性と思わずに、身体を温める習慣を付けて下さいね。
日本古来の民間療法で、梅醤番茶というものがあります。
飲む習慣を付けてみてはいかがでしょうか。
梅醤番茶はご自分で作ることもできます。
作り方はこちらの動画を参考にしてみてください♪
食後に眠気を伴う場合は、要注意!
食後に強烈な眠気を感じるという人は、
低血糖症の疑いがあります。
これは、食事によって
急激に上がった血糖値を下げるためにインスリンが大量分泌され、
その結果、血糖値が急降下してめまいやふらつき、強い眠気を感じる病気です。
そしてこの低血糖症と胃潰瘍には、意外な関りがあります。
低血糖症が起こると、
脳の迷走神経が刺激され、強い胃酸が分泌されます。
そのせいで胃潰瘍が引き起こされる可能性が大きいのだそうです。
食事による低血糖を防ぐためには、
規則正しい時間に、毎日同じ量の食事を摂ること。
また、低血糖症の起こりやすさには個人差があるので、
起こりやすい体質の人は、玄米食や全粒粉のパン食、
そばなど、血糖値が緩やかに上昇する食品を摂ると良いでしょう。
胃の症状については、こちらの記事もご参考に(*^^*)
早期発見のために、覚えておきたい初期症状
胃潰瘍の初期症状を覚えておいて、
悪化させる前に気付けるようになっておきましょう。
ごく初期に起こりやすいのが、胸やけや胃もたれ。
このせいで、食欲不振になることも少なくありません。
そして、やはりよく見られるのが、みぞおちあたりの痛み。
吐き気を伴うこともあります。
特に暴飲暴食をした覚えがないのに、
慢性的にこれらの症状が続く場合は、胃潰瘍の疑いありです。
また、排便の様子や嘔吐がある場合は
出たものの様子を見ることも大切です。
胃潰瘍が進んで出血があると、便が黒くなってしまったり、
黒く変色した血液が嘔吐物に混じって出ることがあるからです。
このような症状が見られたら、胃潰瘍の心配をしてみて下さい。
胃潰瘍を日頃から予防しよう
いかがでしたでしょうか。
胃潰瘍の仕組みや原因として考えられるものなどをご説明しました。
ピロリ菌による胃潰瘍は、
胃を除菌する以外に対処法が無いとお話ししましたが、
それ以外の原因については、日頃から対策が可能です。
本文中でもご説明しましたが、対処法をまとめると……
まず、ストレスを感じないように工夫すること、
暴飲暴食を防ぐこと。
そして、身体を冷やさないようにしたり、食事時間を規則正しくすること。
また、解熱鎮痛剤を始め、
胃に負担がかかる薬を飲む習慣がある人は、
服用量を基準値以内に収めるようにしましょう。
胃潰瘍が起こると、
「胃が痛い→ストレス→胃が痛い……」の悪循環に陥ります。
胃潰瘍にならないように、胃の健康を保つ配慮をして下さいね。