太陽を見ると、くしゃみが出てしまうという人はいませんか?
こんな体質のことを、「光くしゃみ反射」と言います。
この光くしゃみ反射をする体質の人は、
てんかん発作を起こす気もあると言われています。
今回は、そんな光くしゃみ反射とてんかん発作について、お話しします。
「光くしゃみ反射」とは?
光くしゃみ反射とは、まぶしさを感じると鼻がむずむずして、
くしゃみが出てしまう反応のことを言います。
なぜ、こんな反応が起こるのかというと、
それは、光を目にした時に刺激を受ける神経細胞が、
その近くにある鼻水の分泌を司る神経細胞にまで到達しているせいです。
つまり、
光を見る→脳に刺激が伝わる→その刺激が鼻にまで伝わってしまう→くしゃみが出る
という流れになるというわけです。
また、どれくらいの光でくしゃみが出るのかという部分には個人差があり、
室内灯程度の弱い光でもくしゃみが止まらない、という人もいれば、
太陽の強い日差しを直視すると一つだけくしゃみが出て収まる程度の軽い人もいます。
この反応は全ての人に対して起こるわけではなく、
日本人なら約25%の人にしか起こらないといわれています。
光くしゃみ反射は遺伝する!
この光くしゃみ反射が起こる人とそうでない人がきれいに分かれているのは、
その遺伝子を持つか持たないかの違いなのです。
光くしゃみ反射は、正式には
「染色体上にある優性遺伝子が引き起こす突発性太陽視覚症候群」という
大変長い名前が付けられています。
この正式名称の中に、「優性遺伝子が引き起こす」とある通り、
遺伝により引き継がれる要素だということが判明しています。
このことを、英語では
「Autosomal dominant Compelling Helio-Ophthalmic Outburst syndrome」と呼び、
頭文字を取って「ACHOO」、つまり「ハクション」と呼ばれているのだとか。
あの「ハクション大魔王」でおなじみも「ハクション」が、
単純に音だけを表しているのではないということですね。
光くしゃみ反射の因子を持っている人は、てんかんの因子も持つらしい
ただ、遺伝するのがくしゃみの性質だけなら良いのですが、
この光くしゃみ反射の遺伝子を持つ人はてんかんの因子も持つという説があるそうです。
すべてのてんかん患者に光くしゃみ反射があるというわけではなく、
やはり光によって生じる「光てんかん」を起こす体質を持つ人にのみ、
光くしゃみ反応が見られるのだとか。
光てんかんと言えば、20年ほど前に、
アニメ「ポケットモンスター」のあるシーンで
てんかん発作を起こす子供が続出したことで、世間に知られるようになりました。
ですから、光くしゃみ反射の性質があると自覚している人は、
今後、激しい光が出る動画などには、気を付けた方が良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
光くしゃみ反射とその原因、そして光てんかんとの関連性について、ご説明しました。
光くしゃみ反射を起こす人は、25%、つまり4人に1人の割合で存在することになります。
これが多いのか、少ないのかはその人の認識次第ですが、
少なくとも、4人に1人が光てんかんを引き起こす可能性があるのだと考えると、
見過ごせない数字だとも言えます。
光を見てくしゃみが出る場合は光くしゃみ反射の遺伝子を持っているのかもしれません。
くしゃみ程度なら日常的に起こってもあまり問題はありませんが、
てんかん発作となると話は変わってきます。
気を失ったり、身体の自由が利かなくなるなどの症状が出るのですから、
気を付けるに越したことはありません。
まぶしい時にくしゃみが出てしまう体質の人は、
テレビなどの強い光を凝視しないようにした方が安心ですね。