糖尿病はメジャーな病気なので誰でも一度は必ず聞いたことがあると思います。
生活習慣病としても有名ですね。
その糖尿病の中でも1型糖尿病の原因は体質だと思われていましたが
実はエンテロウイルスが大きく関わっている可能性が最近発見されました。
今回はこの糖尿病についてとエンテロウイルスについてまとめました
糖尿病には種類がある
皆さんは糖尿病と一口に言っても糖尿病には種類がある
ということをご存じでしょうか?
一般に言われる生活習慣病が2型。
そして生活習慣に関係なく発症してしまう1型です。
両者とも同じ糖尿病のくくりではありますが、
2型が生活習慣に依存して発症するものであることに対し、
1型は自己免疫性疾患であるため、全く別物という捉え方もあります。
このことは知らなかったという方も多いと思います。
1型の糖尿病について
1型の糖尿病は、インスリンを分泌する細胞が何らかの原因によって破壊されてしまって、
インスリンの分泌が極度に低下、あるいはほとんど分泌されなくなってしまう病気です。
小児期に発症しているしまう人が多いとされています。
そしてこの1型、長らく体質によって発症するものだと思われてきましたが
最近、ウイルス感染が発症に大きく関わっている可能性があるということがわかりました。
そのウイルスの名前は「エンテロウイルス」。
1型糖尿病発症者の実に8割以上がこのエンテロウイルスに感染していたのです。
実はエンテロウイルスと糖尿病の関係に関しては40年以上前から研究されてきたのですが、
このような大きな成果があったのはこの発見が初めて。
もっと研究が進めば、1型糖尿病の予防に大きく貢献するかもしれません。
エンテロウイルスについてはこちらの記事もご参考に!
エンテロウイルスと糖尿病
この研究は、アメリカのサンディエゴで発表されました。
研究チームは、2~16歳の1型糖尿病患者112人を対象に、
診断の際に血液検査を行ったそうです。
そして腸内のウイルスのDNAを調査したところ
83%の小児がエンテロウイルスへの感染歴があったのです。
研究チームは、この研究内容はエンテロウイルスによって
糖尿病が引き起こされるということを裏付けするものではないものの、
何らかの因果関係があることが示されたとしています。
ここで疑問が生まれます。
エンテロウイルスって一体何ものなのでしょうか?
糖尿病を引き起こすくらいだから、きっと何か珍しい特徴を持っているに違いない。
そう思う方も多いでしょう。
もしかしたら、特別な場所にしか存在しないのかもしれません。
しかし、実はそれは間違いです。
エンテロウイルスは意外と身近な存在
エンテロウイルスという言葉を聞いたことのある人は少ないと思いますが、
「夏かぜ」とか「手足口病」といえばわかりやすいでしょうか。
エンテロウイルスによる感染症として主に挙げられるのは、
夏から秋にかけての風邪のような症状です。
下痢や嘔吐、腹痛といった症状が見られます。
その他にも、呼吸器系では口内炎や咽頭炎、気管支炎などを引き起こす原因にもなります。
症状が風邪としてありふれたものである上に感染しても
そもそも症状が出ない・軽い下痢で済んでしまう人もいるため見過ごされがちです。
とはいえ、小さい子供が感染するとひどい下痢と嘔吐に襲われ、
最悪の場合死に至る可能性もあるため軽く見てはいけません。
また、今回エンテロウイルスと糖尿病との関係が発表されたわけですし、
その後糖尿病が発症しないか、特に注意して観察する必要がありますね。
こまめに手洗いうがいをしましょう。
それに加えて、消毒も欠かさないように。
身の回りのものも気が付いた時に除菌するようにしましょうね。
まとめ
夏かぜとしてありふれた症状であっても時にはその後、
糖尿病などといった重篤な障害を引き起こす可能性があるので怖く感じる部分もありますね。
また、1型糖尿病は小児期に多いですが10代から20代の若年期に
発症する人も少なくないため若い人は注意が必要です。
しかし、あまり神経質になるのも禁物。
普通のかぜと同じように、流行期には手洗い・うがい・マスクなどを心がけることが一番の予防となりそうです。